終わりの見えない自粛生活が続いていますが、みなさんいかがお過ごしですか。
幼稚園や学校、子どもたちが置かれた環境も大きく変化し、ストレスは増える一方ですね。

ストレス発散が難しい毎日では、些細なことでもぶつかり、きょうだい喧嘩は日常茶飯事。
繰り広げられるバトルに、イライラしてしまうご家庭も多いのではないでしょうか。

忙しい毎日では喧嘩の仲裁も大変です。
我が家では、そんな喧嘩の場面に5W1Hのしつもんを取り入れてみました。
親の一方的な判断や仲裁ではなく、姉弟それぞれの言い分や考えを受け止めながら解決策を一緒に考える方法です。

すべてが円満に解決するわけではないけれど、アプローチを変えると会話が深まり、
家族みんなのイライラが減っただけではなく、子どもの考える力を伸ばすことにもつながりました。

姉弟喧嘩、イライラするだけではもったいない! 我が家のおうち英語をご紹介します。

1.年齢差6歳、我が家のきょうだい(姉弟)喧嘩

我が家には二人の子どもがいます。
長女は小6(11歳)、家事や弟の世話がとても上手な頼れる思春期女子です。
前向きで頑張り屋さんな長女は、わがままばかりで話を聞かない弟にイライラしがちです。

長男は年中(5歳)、素直でひょうきんな一面と、自我を思いきり大爆発させるパワフルな一面をもつ、宇宙人男子です。
姉が自分よりも勝っていることが気に入らず、姉の小ばかにしたような薄ら笑いが大嫌い。
一度爆発すると、30分から1時間はなだめる時間が必要となり、疲労感が一気に襲ってきます。

平日親子で過ごせる時間は、朝1時間・夜3時間。
夫は単身赴任中なので、二人の争いに向き合うのは常に私一人です。
毎日繰り広げられる喧嘩に、気分は最悪、パワーを奪われ活力は底を尽きます。

喧嘩の理由は大抵些細なことですが、長女が弟を挑発すると喧嘩は一気にエスカレート。
もちろん私のイライラも頂点に達します。(長男の宇宙人スタイルにはなぜか寛大になれるのに。)

『うるさーい!!わかっててやらないでよ!』と長女を責めてしまうことも多く、
理不尽な判断で喧嘩を強制終了させるたび、「なんで私ばっかりなの?」と長女の反感をかう日々でした。

2.喧嘩の原因を探るのに効果的な5W1Hのしつもん

“What do you think ? ” あなたはどう思う?
子どもとの会話で常に意識している、5W1Hの定番のフレーズです。

指示や確認ばかりだった子どもとの会話が豊かになり、
特に
思春期長女からは学校生活やお友達の話が聞けるようになりました。

ンプルだけれど、子どもの心情や思考を探るのに最適なしつもんです。

皆さんもご存じのとおり、5W1Hとは、
「When いつ」「Where どこ」「Who 誰が」「What なにを」「Howどのように」
英単語の頭文字から構成された、情報を伝達するのに必要な要素を示したものです。
5W1Hを使うと、情報整理が効果的にできると言われています。

過去の英語学習を思い返すと、
When is your birthday?とか、Who are you ? What color do you like ?など、
日常では使わないフレーズをただ丸暗記していた記憶があります。

しかしおうち環境では、What do you think? How are you feeling?を子どもに問いかける場面はたくさんあり、親子の会話で自然に覚えることができます。

そんな、子育てには欠かせない5W1Hのしつもん、喧嘩の場面でも大活躍。
ある日の喧嘩を例えてご紹介します。

  • <喧嘩事例:レーズンチョコ争奪戦>
  • 長男がおやつのレーズンチョコを発見し、私の許可を得て食べていました。(長女はレーズンが嫌いなので、あえて長女には言わず。)弟のおやつタイムに気が付いた長女が、チョコを分けてと丁寧にお願いしますが、長男は聞く耳持たず一粒もゆずりません。「ねぇ、1個でいいからちょうだい。」と再度お願いしても相手にしない弟の態度に長女が怒り、残ったチョコを全部取り上げ食べてしまいます。長男は激怒し、姉の私物を壊す、叩く蹴るの大暴れに発展しました。

たかが、チョコレート…と思いますが、食べ物への執着は根深いもの。
二人の言い分をまとめてみました。

  • What‘s happened ? なにが起こったの?
    弟:オレのチョコとられた!
    姉:私の大事なもの壊された!

    Why did you do that?なぜそんなことしたの?
    弟:だってオレのチョコなのに!だから姉が悪い!
    姉:だって私の分だから当然でしょ。私は悪くない。

    Why did you think so ?
    なぜそう思ったの?
    姉:半分こするべきものを弟がくれないから、残りをもらうのは当然の権利。
    弟:「1個でいいから」と言ったのに、全部食べるなんて嘘つきだ。

    What do you think?どう思う?
    What are you thinking now ? 何考えているの?
    姉:あんたが無視したからあんたが悪い。普通半分こにするでしょ。私は悪くない。大事な物を壊すことないでしょ?
    弟:チョコをあげようとしていたのに、オレが言う前に全部取ったから大っ嫌い!

    How are you feeling now ? ねぇ、今どんな気持ち?
    姉:ずるい。全部食べようと思ったくせに。返事もしなかったくせに。(とても悲しい)
    弟:はだっていつもオレがする前に勝手にやる。それがすごく嫌だ。(ものすごく怒っている)

    What would you feel if you were he(she)?
    もしあなただったらどんな気持ち?
    What do you think she(he) is feeling?お互いどんな気持ちだったのかな?
    姉&弟:…(だんまり)

  • 姉弟それぞれの反応を観察しながら、言い終えるまでは「I see.なるほどね。」と相づちで返します。
    相づちは共感を示すコミュニケ―ションツールとしてとても効果的です。
    子どもたちの意見を遮らずに、介入することが可能です。
  • “I see. 悲しい気持ちだったね。とても怒っていたんだね。”
    共感しながら見えてきたのは、互いに許せない態度があることでした。
  • 姉:都合が悪いことも返事をしてほしい。無視されると悲しいし余計に腹が立つ。(弟を気遣っているのに無視しないで)

    弟:姉の薄ら笑いと自分の意見を聞かずに手を出されるのが許せない。(自分のタイミングで自分でやりたい)

  • 喧嘩の理由は色々あるけれど、「どっちも悪い!」で強制終了していたら受け止められない子どもたちの声でした。
    “お互いにとても嫌だと感じていることがある” “怒るときには悲しい気持ちも持ち合わせている”ことを共有でき、「相手が嫌がることはしない」(解決策)とお約束する提案に至りました。
    (ついでに長女はレーズン嫌いだがレーズンチョコは好きという新事実も判明。)
  • このように、5W1Hに絡んだしつもんは、喧嘩の状況を把握し原因探求するにはとても便利なツールとなります。
  • 3.子どもの思考の整理を助ける5W1Hのしつもん

  • 長男はまだ5歳なので、自分なりの考えをしっかりと持っていても、それを伝える力をまだ持ち合わせていません。
  • 思うがままに言葉で伝えられないことも、年上の姉との喧嘩で感情が爆発してしまう理由の一つです。
  • しかし、5W1Hのしつもんでは、子どもの言葉で「見える化」できるので、年齢差に応じて対応が可能です。
  • 長男の場合、感情が高ぶると「だって…だって…」と、どもりがちで言葉が少なくなってしまいます。
    しかし、見えてきた感情を「○○だったからこんなに怒ってしまったんだね。壊してしまいたいくらいの気持ちだったんだね」と、優しく語源化して伝えると、彼の心にあるもどかしさを解消することができます。
  • 長女もまた、年下の弟が自分とは異なる受け止め方をしていたり、思考の発達段階が大きく違う年齢差に気が付くので、「え?そういうことなの?」と相手の状況をとらえ直すことができます。
    思考の整理ができたら、振り返りにつながるしつもんで終了です。
    • What do you think you should do ?どうしたら良かったかな?
      Which one do you want to do that? 本当はどっちがいい?
      What do you want to do?どうしたい?
      When?いつする?How?どうやってする?
  • 喧嘩の原因を共有できると、振り返ることもまたスムーズになります。今回のチョコ事件では、最後に弟から「なかなおりしたい…」と絞り出すような声での提案がありました。
    二人が選んだ仲直りの方法は、『ハグしながらじゃんけんをする』という、我が家ではやりのスキンシップ方法。
    小さな声でぼそぼそ提案する弟の姿をみて、長女もしぶしぶ受け入れていました。
  • 4.子どもの考える力を伸ばす、5W1Hのしつもん

        • 今回は「おやつの取り合い」という、傍から見たら可愛らしい喧嘩でしたが、家庭内ではしばしば起こる争いです。
          以前の私であれば「6歳も離れた5歳男子に小6女子がすること?」「今度買ってあげるから今日は我慢して。」と長女を叱り、その場しのぎで強制終了していました。
        • しかし5W1Hのしつもんでは、それぞれの言い分を受け止めることで、安心して気持ちを表出する場面を作ることができます。
          一方的な親の喧嘩仲裁により萎縮させてしまったり、怒りで感情に蓋をしてしまうことは避けられるでしょう。
        • また、互いの返答を聞きながらしつもんに答える過程そのものが、思考を整理し考えをまとめる訓練になり、
          コミュニケーション力を育む機会にもなりますね。
        • 「私ばかり」と怒っていた長女は以前より穏やかに喧嘩し、
          爆発しやすいかった長男も自分の言葉で伝えられることが増えてきました。
        • 年齢差に関係なく、互いを理解しようとする姿もみえています。
  • 長女が今回の喧嘩について振り返ったとき、「どうして?なぜ?」という視点で物事をとらえるようになったと話していました。最近では、長女が弟の行動や態度について客観的に観察する機会があり、そのきっかけは「なぜ姉弟は喧嘩をするのか」という疑問だったそうです。
  • 5W1Hのしつもんで考える機会を増やすことが、新たな視点や興味を掻き立てることにもつながるように思いました。
  • 5.まとめ

  • きょうだい喧嘩を穏やかに収束させたいと思って始めた5W1Hのしつもんですが、
    姉弟それぞれの考えや意見をじっくりと観察すると、
    イライラだけで終えてしまうのはもったいないと感じるようになりました。
  • 子どもたちの成長過程は頼もしく、喧嘩のたびにどんな答えがでてくるのか今ではワクワクしています。
  • 長引く自粛生活では、小さなストレスも時に大きなストレスへと形を変えてしまいがち。
  • 人とのふれあいが極端に減ってしまったからこそ、
    我が子には自分の気持ちを誤魔化さず、素直な言葉で伝えられるようになって欲しいですね。
  • 毎日の喧嘩はうるさいし、たくさんのエネルギーを使うけれど、
    向き合い方を変えると素晴らしいコミュニケーションに変わります。
  • お子さんと過ごす時間が短い働くママにもおススメですよ。
  • きょうだい喧嘩がもっと穏やかになる。みなさんも5W1Hのしつもん、試してみてくださいね。
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Comments

  1. ジャッジせず、それぞれの言い分を聞きつつ、相手の気持ちに思いを馳せるよう促す声かけ、質問が素晴らしいと思いました。そこからそれぞれの気持ちの変化や、次への生かされ方など、ママの対応ひとつでこれだけ違ってくるんですね!
    そして最後の仲直りがあのハグジャンケン!本当にキュートな姉弟✨

    • Eikoさんありがとうございます。深く考えずうっかりジャッジしてしまうと荒れに荒れて何に怒っているのかわからなくなりますよね。ハグジャンケンは大人もHappyになれる最高のジャンケン!これを教えていただいたとき、とても感動しました。

  2. 我が家の夫が単身赴任し始めた頃を思い出しました。当時は5歳、7歳、9歳。兄妹喧嘩も多かった。
    確かに5W1Hで、それぞれの気持ちを聞くことは大切ですよね!「姉弟それぞれの考えや意見はとても愛おしく、イライラだけで終えてしまうのはもったいない」に深く共感しました!!

    • 3人兄妹、年齢差が近ければ喧嘩もきっとにぎやかですね!お子さんの性格や個性によって対応の仕方はみんな違うから、特に姉弟が多いママさんたちは本当に大変だと思います。何が正解ということではなく、どんなご家庭でも子どもの気もちを受け止めるには良いしつもんだと思いました。

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この記事のライター
あおい
家族:夫・長女(小4)・長男(年少)・私の4人家族
「毎日伝えているこの言葉、英語だったら何て言うのかな?」子育て英会話を探していたときに、『アットホーム留学』に出会いました。何気ない日常生活で使える英会話フレーズを、おうちスタイルでアレンジしながら親子で楽しく学んでいます。
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