子どもにお手伝いをさせたい気持ちはあるけれど、
「自分でやった方が早いし、少しでも早く終えて休みたい。」
「手伝ってもらったら余計な仕事が増えて疲れるだけ。」と、
つい自分のペースで家事をこなしてしまうことはありませんか?

共働きの毎日で、帰宅後はご飯とお風呂と家事に追われる日々。
お手伝いを経験させないまま長女は小学生になってしまいました。

指示をしないと動けない長女に焦る気持ちで始めたお手伝いですが、
失敗を重ねて気が付いた「正しく教える方法」とは全く違うアプローチ。

家事時間を共有しながら育ち始めた子どもの自立心は、
stay home を楽しむ鍵となりました。

皆さんは、おうち時間をどう過ごしていますか?
今日は我が家のプラスの連鎖が生まれるまでの過程をご紹介します。

1.正しいことは楽しくない??失敗続きの暗黒期から感じたこと。

自分の事はほぼ自分でできるようになった、小3長女。
けれど家事のお手伝いをちょっと頼むと、
「ママ、わかんない。次どうしたらいいの?」いつもこの返事。

「本当にわかんないの?考えたらわかるでしょ。」
「えー、わかんない。」

本当にわかっていない様子の長女をみて、焦りがつのります。

じゃぁ、一緒にやろう。
Let’s do housework together!
「家事はみんなでやろうね」を合言葉に、我が家の協働作業がスタート。

今までやってこなかった分、ちゃんと教えてあげなきゃ。
きれいに、上手に、失敗せずにやらせてあげたい。それが成功体験にもなるはず。

けれど、次第に話を聞かない長女にイライラがつのります。

「ちゃんと話を聞かないなら、やらなくて結構!」と怒る私。
「ママッ!自分でやりたかったのに…」とふてくされる娘。

お手伝いとは程遠い、バトルで終わってしまう日々。

長女ができることはたくさんあるのに、上手くいかない。
なんで人の話を聞かないの?
どうしてこんな嫌な気持ちにならなきゃいけないの?
親子でやってもちっとも楽しくない…。

何のために初めたお手伝いだったのかも見えなくなり、
娘の笑顔が消えても、「こうするべき」にとらわれていました。

2.「しつもん力」から再スタート!私が決めた二つのこと。

イライラばかりの毎日で苦しいのに抜け出せない。
思春期を迎える長女と、このままじゃ絶対うまくいかない。

状況を変えたくてもがいていた私は、
以前から受講を考えていたアットホーム留学のしつもん力セミナーに参加を決意。
長女が小4の秋でした。

「しつもん力セミナー」では親子の会話を記録し、振り返ることから始まります。
娘へのしつもん、娘とのコミュニケーションを意識した日々がスタートしました。

最初に見えてきたのは、私自身の傾向。
衝撃だったのは、私が娘の反応や返事を待たずに、どんどん言葉を返していたことでした。

会話をしてきたつもりだったけれど、
自分本位で一方的。会話というより指示出し。

客観的に分析できる記録からは、多くのことがみえてきました。

・娘が自分で考え答えを出すタイミングを私が奪っている(それも高頻度)
・娘が自分で考えて行動したことを認めていない(ダメだしばかり)
・「ママ、わかんない。」と答えさせているのは私

娘なりに考え行動したこと、とても頑張っていること。
家族思いの優しさがいっぱいあること。

記録を書けば書くほど、私が気が付いていなかった理由や真実が見えてきました。

そして、私自身の傾向として強かったのが「正しいことを教える」こと。
共感もせず正論を述べても、相手には届くはずもありません。

私はただ、「しっかり教えているお母さん」でありたかっただけ。
つまり自己満足です。
なりたくない母親像になっていたことでかなり落胆しましたが、

『子どもの前にまず私が変わらねば』
心にガツンと刺さった事実を受けとめて、私が徹底した行動は次の二つでした。

①子どもの言葉を聞きること
②子どもの言葉を否定しないこと

ピンチだけどチャンスに変えられるはず。

3.会話が変わると行動が変わる。否定しないことから広がるプラスの効果。

とにかく①②を意識して会話をする。
それだけを意識して過ごし、口が出そうになっても必死にこらえました。

Oh, I see! And then? そうなんだ!それでどうしたの?
Wow! That’s true!  すごい! それ、いいね!

「○○しなさい。○○やったの? それやる必要ある?」
お決まりの負の言葉を封印して数日すると、
効果絶大!言葉のキャッチボールが増えたではありませんか!!

長女がいろんな顔をしながら言葉を返してくれる。
それがとっても嬉しくて、泣けてくる。
もっと彼女のことを知りたいというワクワクした気持ちが芽生えました。

長女が自由に話せるように、しつもん。

・What is on your mind? 何を考えているの?
・What are you trying to do? 何をしようとしているの?
・I know what you mean. うんうん、わかるよ。

長女からの返答にさらに返していく。

・What can I do to help you? 何をしてあげられる?
・What do you think you can do? 何ができると思う?
・How did you feel honestly? 本当はどう思った?
・Great discovery! すごい発見じゃない!

当時の会話の一部をご紹介します。

私:Let’s do house work together!
お風呂洗いと食洗器回すの、どっちやりたい?
(今まではこれやっての指示だった。)

娘:じゃあ、おっふろ~。(しばらくお風呂場から出てこず。)

私:(まだかかるのかな?早く洗ってお湯入れて欲しいのに。
早くしないと弟が寝てしまう。手伝いの意味がなーい)
今まではここでしびれを切らし見に行き口をはさむが待つこと数十分…。

娘:ママ、ごめん遅くなって!!ふたとか壁とか汚いとこ洗っててね…

私:Thank you for helping me! すごく助かったよ、ありがとね。

その後お風呂タイムでしつもん。

私:さっきはお手伝いしてくれたのに、どうしてあやまっていたの?
娘:だってさ、ママだっていっぱいやることあるのにさ。
T(弟)も寝ちゃうかもしれないし、遅くなっちゃったからダメだったかなって…

私:そんな風に考えていたんだね。素晴らしいね。
自分で気が付いたこと、次はどうしたらいいと思う?
ママはあなたが自分で一生懸命考えながらお手伝いしてくれているのが嬉しいよ。
I’m so proud of you. Thank you.

娘:にこにこの笑顔。

笑顔で終わるとこんなに気持ちが晴れやかで、穏やかになれるんだ。
今までは拾うことができなかった娘の気持ちに触れ、
ここからプラスの連鎖が広がり始めました。

4.長女はこう変わった!長女のやる気と自信が育つ、お手伝いからの相乗効果。

数週間経つ頃には長女からの会話が圧倒的に増え、
いつまでも話し続けてはよく笑うようになりました。

学校での出来事、友達のこと、勉強のこと。
聞かなくても彼女のことを以前より理解できる。
効果的なしつもんは、おのずと聞きたいことや知りたいことにつながるのかもしれません。

家で一緒に過ごす時間が短いけれど、
同じ時間を共有できているというあたたかい感覚は、
気持ちの余裕をも生み出してくれました。

「今日は○○やるね!」
「今日はとても疲れちゃったからお手伝いはできないわ、ごめんね」

自分の考えや行動を伝えてくれるようになり、
私の体調が悪いと掃除やご飯の支度、弟の世話を積極的にしてくるなど、
周りを見る力もついてきました。

Stay home期間には一日の行動、勉強の計画は自分で考え実践するようになり、
その日の目標や振り返り、楽しかったことなどを伝えてくれるようになりました。

否定されない安心感は、自由に話せる。
いいね!と肯定され続けると、自信がついてもっとやりたという意欲がわく。

長女の変化をみてはじめて、実感できたプラスの連鎖。
もちろん、何もせずに動かない日もありますが、彼女なりの理由がある。
緊急事態で先が見えない不安定な毎日だけど、
長女を尊重できる姿勢で見守ることができるようになり、穏やかに過ごすことができています。

5.まとめ

私が実践した二つの行動、いかがでしたか。

「否定しない」ことが大切であることは、すでに皆さんもご存じかもしれません。
私自身、様々な育児書や子育て講演で知っていたことではありました。
けれど、自分事としてとらえたからこそ、日々の生活で実践し落とし込むことができたと感じています。

しつもん力セミナーで伴走してくれたマキ先生の存在は、いつも温かくて安心できる場所。
そしてともに歩んだ皆さんの学びを聞き、親子の数だけそれぞれのかたちがあることも知りました。

温かい環境の中で、家庭の中にどれだけ落とし込めるか。
お手伝いだけではなく、考える力や生きる力を育むことにつながる。

長女で体感できたことを、現在は4歳宇宙人長男に実践中です。
我が家流をもっと模索して、親子の時間を楽しんでいきたいです。

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Comments

  1. 「いかに自分ごとに落とし込めるか」という点とっても共感します。
    セミナー内で自分が全く否定されない環境にいると、否定されない大切さが身にしみました。
    最近また忘れ気味になってきたので、aoiさんの記事を読んで身が引き締まる思いです。

    また、目次の流れが読みやすくて参考になります。

    • ゆうりさん。「否定されない大切さ」、私も同じ気持ちです。
      自分自身が体感できたからこそ、それをわが子にも伝えられる母親でありたい!と強く思えますよね。
      コメントありがとうございました!

  2. 素晴らしい変化ですね!子供の言葉を聞き取ること、否定しないこと、心がけます!

    • Ayaさん。聞き取るどころか肯定もできない日も多くありますが、最近では「ママ、否定しないって言ってなかったっけ?」と、娘からの返答や交渉が面白くなってきました。私も心がけていきます!

      コメントありがとうございました。

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Writer

この記事のライター
あおい
家族:夫・長女(小4)・長男(年少)・私の4人家族
「毎日伝えているこの言葉、英語だったら何て言うのかな?」子育て英会話を探していたときに、『アットホーム留学』に出会いました。何気ない日常生活で使える英会話フレーズを、おうちスタイルでアレンジしながら親子で楽しく学んでいます。
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