先日、小4次男釣りボーイの学校公開日に「共生共育」*の授業が行われました。私の小学生時代にはなかった授業。いったいどういうことをするのか?と、興味をそそられていました。この日のテーマは“ちがいのちがい”。さて、いったいどんな授業が行われたと思いますか?

*かわさき 共生*共育プログラム
共に生き、共に育つ環境を創り、心を育む

川崎市が実施している参加型体験学習。体験を通して、「人づきあい」の方法を楽しく学んだり学びなおしたりすることで、自分と友だちとの豊かな関係や集団と積極的なかかわりをつくりだすために必要なスキル(社会性)を育てるプログラム。

第2次川崎市教区振興基本計画 かわさき教育プラン
第2期実施計画(2018~2021) p.107
平成30年(2018)年3月 川崎市教育委員会

1. あっていいちがい?あってはならないちがい?

まず、児童に10個ほどの項目が書かれた用紙が配られ、各自で自分の考えを記入しました。あってよいちがいだと思うものには〇、あってはならないちがいだと思うものには×をつけるというものです。

その内容の一部を紹介すると…

・私の好きな教科は体育だが、国語が好きな子もいる。

・私の肌の色は肌色だが、Aさんは褐色だ。

・母は私のすることに口出しできるが、私は母のすることに口出しできない。

・母は妹には料理の手伝いをするように言うが、兄には言わない。

・車椅子の私は、好きなところへ旅行したいけれど、行きたいところに自由にはいけない。

といったようなものでした。

各自の記入が済むと4人ずつのグループに分かれ、お互いの考えや意見を述べ合い、グループごとにまとめて最後に結果を発表しました。

見ていると、たまたま司会役となった釣りボーイ。「まずはオレから意見を言います。」と言い、自分の考えを理由とともにしっかり述べられている様子が見られて内心(よしよし)!

その後はみんなの意見を聞き、スムーズに話し合いができていました。他のグループでも、活発に意見を言い合う子どもたちの姿が!

グループ毎に話し合いをする子ども達

そして、それぞれのグループの意見発表の時間がやってきました。興味深いことに、どのグループも同じ意見で統一された項目と、グループ内でもグループ毎でも意見が分かれた項目がはっきりしたのです。

2. 子ども達からの感想と気づき

釣りボーイの発表した気づきによると、「どのグループも同じ意見になったのは、好きなものとか差別につながるもの」とのこと。なるほど、確かに…!

好きなものはそれぞれの自由で、あっていいちがい、差別につながるちがいはあってはいけないちがい。そして、異なった意見が出たものは、考え方のちがい

そして、ある女の子はこんな感想を発表しました。

私はこう思ったけど、他の人は違うふうに考えることもあるんだと思った。

先生「そう、まさにそれを体験してもらいたかったの。みんなが考える”ちがい”には”ちがい”があるってこと。これは、どれが正しい答えかを決める授業じゃなくて、みんなの考えにはちがいがあるってことを知ってもらうための授業だったんだよ。」

たくさんの色の違う色鉛筆

子ども達はこの授業を通して、自分と違う考えがあるということを改めて実感したと思います。それは、頭ではわかっているつもりでも、ちがい実際に目の当たりにして、改めて実感することだと思います。事実、私も相手との思いがけないちがいを発見し、驚いた体験を思い出しました。

3. 自分が予想していたのとは違う「ちがい」の発見もある

それは、アットホーム留学アイデア力セミナーを受講していた時のこと。セミナー中に、ペアワークでお互いにいくつかの質問をする機会がありました。例えば、三角と四角、どっちが好き?とか、朝ご飯にはパンを食べる?それともご飯?とか。

そこで私のペアの方が、「朝ご飯にはパンを食べます。」と答えられました。私も子どもが生まれる前までは幼い時からずっとパン派で、朝からご飯は重い!ありえない!と思っていたのですが(なので、結婚して夫に「朝、ご飯が食べたい」と言われた時も却下(笑)!)、授乳中はとにかくお腹が空いて…ご飯をしっかり食べないともたない!となったので、以来ずっとご飯派です。

ただ、人によってそれぞれなのは百も承知なので、うんうん、パンの人も多いよね、私も昔はそうだったな~と思ったのですが、その方が朝にパンを食べる理由を聞いてビックリ!

パンと牛乳の朝食

その理由は、「パンの方が腹持ちがいいから」とのこと!ご飯の方が腹持ちがいい、一般的にもそうだろう、と思っていた私には、

なんと!パン/ご飯かのちがいだけではなく、根拠となる理由も私と真逆の場合があるとは!

と思いがけない発見をして、衝撃を覚えたのでした。

 

考えてみれば、人によって体質は様々。人種の違いによって消化しやすい食物も違うし、体の機能も相手が自分と同じと思い込んでいてはいけないんだなぁ、と改めて実感しました。

それもこれも、自分と相手が理由も含めた話をしたから気づいたこと。人と違うのは当たり前、ちがいを認めるべき、と頭では分かっていても、どんなちがいがあるかを発見するには、コミュニケーションを取って初めて分かることもある、だからこそコミュニケーションは大事なのだと実感したのでした。

人と自分は違う。そのことをしっかり意識するには、日々、自分を発し、相手を受け止め、ちがいを認識していく習慣が大切なのだと思いました!

4. こんなことも、聞いてみて分かるちがい

先日、中1長男バスケボーイが久しぶり(夏休み以来?!)に、丸一日部活のない休日がありました。おっ!貴重な部活休みの1日!家族でどっかお出かけできるね~♪と思った私。「どこ行こっか~?」とバスケボーイ&釣りボーイに聞きかけて…思い直し、「明日何がしたい?」と聞いてみました。

すると、バスケボーイからは「バスケがしたい」と。(部活がなくてもバスケがしたい、部活から帰ってきてもバスケをしに行くほどのバスケ好き長男。あ、部活はもちろんバスケ部です)

そう、彼にとっては家族でお出かけするよりも友達とバスケがしたい…!久しぶりにみんな家族でお出かけしたいだろう、と思い込んでいた私でしたが、バスケボーイに聞いてみて初めて、思いのちがいに気づいたのでした。

バスケットゴール

結局その日は、午前中はバスケボーイの意思を尊重してバスケタイム(釣りボーイも便乗)、午後から家族で出かけました。結果、子ども達は午前も午後もそれぞれ楽しむことができ、Wハッピー♪相手も自分と同じ考えのはず、と思い込まずに、ちがいを意識したしつもんをしてみるって大事だなぁとつくづく感じました!

5. ちがいを見つけるしつもん

アットホーム留学では、Yes/No クエスチョンではなく、正解のないしつもんをする場面がたくさんあります。正解がない、というより、どの答えもその子にとっての正解!

What does the cloud look like? とか、What do you think he is doing? とか。どんな答えでもOK!そんなしつもんを家でたくさんしてみてください。学校でもそんな場面はありますが、その機会は家に比べると圧倒的に少ないです。


家にいる一番身近な家族でも、こんなにちがうところがある、ちがう考えがある
、それにまず気づいて、ちがいをどんどん発見し、楽しむようになってほしいと思います。そうすると、自分を知り、相手とのちがいを知り、自分のことも相手のことも認められるようになります♪

 

最後にこのメッセージを…!

 

  みんなちがってみんないい! 


金子みすゞ「わたしと小鳥とすずと」より

それぞれが生き生きとした表情で遊ぶ子ども達

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Writer

この記事のライター
きむら かずよ
家族:高1長男(バスケボーイ)、中1次男(釣りボーイ)、夫の4人家族
アットホーム留学に出会い親子の会話が変わりました。ここから幸せな親子が増えていくこと間違いなし♡たくさんの親子に愛ある会話と幸せを届けたいです!
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