小学校では2020年度、中学校では2021年度から新しい学習指導要領が全面実施されていることについて、何となく知っている方は、たくさんおられるでしょう。
そして、中学入試を含め、入試と呼ばれる試験には、今までの知識だけを問われる問題から、知識を活用し、自分の意見を織り交ぜて回答することが求められるようになってきています。
これから求められる重要な力とわかっていても、具体的にどうやって思考力を鍛えればいいのだろう? と思うことでしょう。
そこで、今回は思考力をお家で鍛える方法をご紹介します。

思考力とは···ずばり「考える力」

大手通信教育のサイトによると、
・『思考力』とは、問題そのものを見つけたり、問題を解決するためのヒント(情報)を探したり、自分が持っている知識を使って解決策を考えたりする力。
・「思考力・判断力・表現力」とは、平たく言うと、世の中や身の回りの問題・課題を、まずは「自分ごと」として考え、さらには他の人の考えにも耳を傾けた上で、「じゃあこうしよう」と新しい解決策を見出していくこと。
つまり、「思考力」は「考える力」なのです。
この能力は、変化の激しい時代のなかで、新しい価値を生み出す、創り出すために必要な能力の一つといわれています。
また、学習指導要領のなかでも、「考える力」として、表記されています。

思考力を育てるためには「親子の会話」が鍵

学習指導要領にもあるので、学校の授業の中にも取り入れられていますが、それだけでは足りません。
日々のなかで、考える癖をつけていかなければ、学校の授業でも考えることは出来ないでしょう。
とはいえ、難しいことはしなくてもいいのです。
毎日の親子の会話を工夫するだけです。
毎日の子供との会話を振り返ってみてください。
「もう宿題やった?」「お手紙や、洗濯するものを鞄から出した?」「今日は学校楽しかった?」等の会話では思考力は育ちません。
これらの会話は、行動の指示、確認だけの会話であり、親子の会話とは言えません。
では、親子の会話とはどういうものでしょうか?
私が考える親子の会話は、お互いの考えを知ったり、アイデアを出し合ったりする会話です。
そしてこの親子の会話をする時に、親子英会話を取り入れることで、思考力と英会話力を同時に育てることができます。

考える習慣がつく言葉がけ<3選 >

親子の会話のなかで、考える癖をつけられる言葉がけとして、具体的に紹介します。

1.情報を読み取る力を育てる<What  kind of  ○○ ~?>

まず、最初は目の前にあるものの情報を読み取る力をつけましょう。
例えば、

目の前にあるコップは

What  kind of  color is it?(どんな色? )

What  kind of form is it?(どんな形?)

動物園に行けば、動物のこと。夕食の食卓ならば、目の前のおかずのこと。
いつでも、どこでも、どんなものでも会話ができます。
物の場合なら
How  do you use it?(どうやって使う?)
などいいかもしれません。
目の前のものから情報を読み取ろうとすることが、思考力を働かせます。
日常とは違うお出かけならば、さらに刺激があり、親子で楽しめますね。

2.比較をする<Which do you like better, ~><Which do you prefer A or B?>

情報を読み取る力がついてきたら、比較をして共通点や、相違点を見つけられるような会話をしましょう。
複数のものを見比べ、同じところ、違うところなどの会話をしてみましょう。
どちらかを聞く質問は、2つの物や事柄を比較をして、自分の好みを選択しなければなりません。
比較をするためには、ものや事柄について理解していないとできません
選択するということは、比較をした後、どっちがいいか?どうしたいか?を考えているということです。
この会話も日常でよく使うことができますね。
Which do you like better, Udon or Ramen?(うどんとラーメンどっちがすき?)
Which do you prefer, rice or bread?(ごはんとパン、どっちがいい? )
Which do you think is better?(どっちが一番いい?)
一緒に買い物に出かけた時は、値段の比較をしてみるのも面白いかもしれません。
同じものでも、会社が違ったり、量が違うと値段が変わります。
また、量が違うのに値段が同じなら、どっちがお得なのか?の会話にもなりますね。
色々な視点から物事を見て判断する練習になります。

3. 理由を考える会話をする<Why do you think so?><What do you think?>

選択できるようになれば、今度は理由を聞いてみましょう。
Why do you think so?(なぜそう思う?)
自分の思いを伝えることを練習することで、まとめる力もついてきます。
何故を聞くことをしていると、そのうち自分から言うようになります。
「○○はこう思うから、○〇したい」
等というようになります。
また、理由が言えるようになれば、もっと難しい会話にも挑戦できます。
絵本を見ながら、
What do you think?(どう思う?)
What do you think about ○○?(○○についてどう思う? )
などの会話にも発展します。
続けていると、ニュースなどをみて、親子で会話ができます。
ニュースの事柄について、
「私なら○○と思う。」
「私ならこうする」
というような会話ができるようになるといいですね。
このような会話をすることで、自分の意見を考え、言葉にまとめ、人に伝える力がついてきます。
この力は、すぐに身につくものではないので、日々の会話をしながら鍛えていかなければなりません。

親子の会話で気をつけてほしいこと

まず、どんな意見も否定しないようにしましょう。
あなたの意見を受け入れるという雰囲気で会話をしないと、子供達は話しても無駄と感じてしまい、話をしなくなってしまいます。
○や✖️をつけず、「Well done!」「How smart!」「That’s true!」など、ほめる言葉や認める言葉で意見や考えを伝えたことを喜んであげてください。
一度受け止めた後に、社会のルールとしてはどうなのか、どんなふうに生かせる可能性があるのかなど一緒に話し合い、一緒に考えていくと良いと思います。

「親子の会話」に英語をいれて、思考力と英語力を一緒に育てましょう!

私が続けているアットホーム留学では、親子の会話中に英語で聞いたり、英語で褒めたりします。
思考力を育てるだけなら、日本語でももちろん良いのですが、英語で質問してみようと心がけることで、何となくしてしまう会話の内容を考えるきっかけになります。
英語というツールを使うことで、一呼吸置くことができ、会話の内容に意識がいきます。
また、日本語で褒めることに、慣れていなくても、英語で褒めると感情豊かに褒めることができます。
英語に日常的に触れることで、英語に対するマイナスな感情を持つことなく、当たり前にあるものとして、子供達に受け入れられるようになります。
英語が苦手ママですが、一年近くたった今では、子供達に英語で質問しても、「なぜ、英語で話すの? 」 という質問は出ません。
英語や日本語が混じっているのが特別なことではなく、いつもの事として、子供達に浸透しています。
思考力を鍛える親子の会話は、今日からできます。
子供達との会話は毎日されることだからです。
ぜひ、今すぐ始めて下さい。
会話の仕方をもっと詳しく知りたい方は、親子英会話セミナーにご参加下さい。
英語だけでなく、子供との会話の仕方がより詳しく分かります。
参考文献
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Writer

この記事のライター
はまのえみ
家族:夫、長男(小4)、次男(年中)、私
二人の息子と日々プチプチ英会話を実践中。 baby stepの日々ですが、子ども達に寄り添いながら試行錯誤を重ねています。
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