「お菓子買って」「テレビ見たい」…日常生活は子どもからの要求だらけ。大人側も「勉強してほしい」「片づけてほしい」…子どもに対する要求は絶えませんよね。
こんな日常的な要求も全部交渉とすると、日常生活は交渉だらけ!日々親子の交渉シーンにおいて、どんな会話を広げるかを意識することによって、これからの社会を生き抜くための力を育むことができるのです。
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目次
1. どうして親子の会話で交渉スキルが必要?
アットホーム留学しつもん力セミナーを受講中、「交渉」をテーマに学ぶ回がありました。それまで私が持っていた「交渉」に対するイメージは、ビジネスで行うもの、自分の要求を相手に受け入れさせるためのもの、というものでした。
ところが、アットホーム留学プロデューサー サンシャインマキ先生(以下マキ先生)が言われた言葉は、「親子の会話が日々交渉」。考えてみると確かにその通り!
「お菓子買って」「おもちゃ買って」「テレビ見たい」「おやつ食べたい」…小さい子も大きい子も、日常生活は要求だらけ。
大人側も「勉強してほしい」「お手伝いしてほしい」「お風呂に入ってほしい」「片づけてほしい」…子どもに対する要求が絶えることはありません。こんな日常的な要求も全部交渉と言えます。また、日常的なもの以外にも、いろんな要求がお互い出てくることでしょう。
そんな時、子どもの要求を頭ごなしに否定していませんか?また、理由や気持ちを聞くことなく、その場しのぎの会話で流していませんか?
私がしつもん力セミナーで学んだ「交渉力」は、お互いに相手を理解し、歩み寄り、折り合いをつけることができるようになる、とても大事な力でした。
しつもん力セミナーで学んだ「交渉」スキルを意識することで、親子関係が改善されるだけでなく、これからの社会を生き抜くために必要な力を日常生活で育んでいくことができるのです。
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2. 我が家で繰り広げられたこんな交渉シーン
我が家の子ども達は、お寿司が大好き。でも、中学生と小学校高学年男子…昔から食欲旺盛な二人でしたが、最近食べる量がさらにアップ!お寿司は酢飯を炊いてお刺身を買って、家でなんちゃって寿司にするか、回転寿司しかいけません(笑) その回転寿司も最近では子ども達がそれぞれ10~15皿は食べるので…かなりのお値段になります。
その① バスケボーイからの回転寿司交渉
そんな我が家で、先日長男バスケボーイから「今度〇〇寿司(回転寿司のお店)行きたい!200円の食べなくていいから!」と申し出が。(バスケボーイはいつもは値段気にせず、お皿2枚分で1貫か2貫の豪華寿司も平気で食べちゃうのです)
(あら…自分からそんなふうに言うなんて。よっぽど行きたいのね)
私「そうだね~、最近行ってないしね。でも本当に200円の食べなくていいの?!」
バスケB「いいから!行きたい!」
私「Why?どうしてそんなに行きたいの?」
バスケB「最近全然行ってないし、カレイのえんがわとか食べたい!」
私「I see. そうなんだ~。えんがわ好きだもんね。ママも久しぶりに行きたいな♪」
釣りB「オレも行きたい!!」
私「Oh, you too? じゃあ、今度の日曜日に行こっか!」
バスケB&釣りB「やった~!」
と、この時は二人の行きたい気持ちと私の気持ちが一致して、すんなりOKしたのです。
ところが…後になって、状況一転!ありがたいことに、親戚からたくさんの白菜や大根、水菜、春菊などの冬野菜が届いたのです。しかもちょうど我が家で頼んでいる食材の宅配でも、同じように白菜と大根が届いたばかりのタイミング。
こんなにたくさんの野菜を食べるには、この季節やっぱり鍋よね♪ということで、先週末は鍋三昧。他に、煮物、漬物、クリーム煮、スープなどなど、毎日使っていましたが、今週末もまだ残りそう。
そこで、回転寿司は次の日曜日ではなく、来週末にしてほしい!と子ども達に交渉を持ちかけることにしました。すんなり「うん」と言ってくれないのは間違いない、その後どう交渉していこう?穏やかに話を聞いてくれるだろうか?と不安は募りましたが…さて、結果やいかに?!
その② 決裂?成立?苦境が予想された私からの交渉
私「ねぇねぇ、今度の日曜日に〇〇寿司行こうねって言ってたけど。やっぱり来週末にしない?」
バスケB「え~?なんで?!」
私「ほら、こないだ田舎から野菜がたくさん届いたでしょ。鍋にしたりいろいろ使ってるけど、まだたくさん残ってるの。だから、今週末も鍋にして食べちゃいたいな~と思って。」
バスケB「え~!せっかく楽しみにしてたのに~!」
釣りB「オレも!今日の給食の時間に、〇〇寿司で何食べようかな~って考えてたのに!」
バスケB「オレもオレも!〇〇寿司行ったら、えんがわと納豆巻食べようと思って~!」
私「Wow!そんなに楽しみにしてたんだ!」
バスケB&釣りB「そうだよ!!」
私「I see! そんなに楽しみにしてたっていうのはよ~くわかった!でも、まだ白菜と大根がたくさんあるし…せっかく送ってもらった野菜が腐っちゃうと困るから、今度の日曜日は〇〇寿司じゃなくてまた鍋にしたいのよね~」
釣りB「え~また鍋?」
私「最近寒いから、冬はあったかい鍋がおいしいよ♪釣りボーイも鍋の白菜好きって言ってたでしょ。バスケボーイも最近鍋好きって」
釣りB「そうだけど…」
バスケB「確かに鍋もいいけど…寿司楽しみにしてたんだよな~」
私「じゃあ、来週は冬休みに入るし、平日にママと3人でお昼ご飯に行ってもいいよ」
バスケB「え~夜がいい!夜に行っていっぱい食べたい!」
私「夜がいいのかぁ~。夜にいっぱい食べたいんだね。じゃあやっぱり来週末がいいかな~」
釣りB「デュエマ(ゲームカード)のボックス買ってくれるならいいよ」
私「え?!ボックスっていくらするんだっけ?How much??」
釣りB「5,000円!(笑)」
私「それはさすがに高すぎる!」
釣りB「じゃあパック30個!(同じ種類のゲームカード)」
私「いやいや、それじゃあんまり変わんない(笑)」
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このあと、値段がどんどん下がる交渉が続く。
そして、釣りボーイとは結局大小パック2個(約400円)で決着。
バスケB「じゃあオレは、バスケのグッズをなにか買って。400円以上は自分で出すから400円出して!」
私「Nice idea! 400円で買えるバスケグッズはなかなかないもんね。それでいいよ。じゃあ、〇〇寿司は来週末に延期してOK?」
バスケB&釣りB「いいよ!」
二人でそれぞれ400円の出費は正直痛いな~と思いましたが、二人が回転寿司に行ったら何を食べるかまで想像して、行くのをとっても楽しみにしていたこと、一度行く日にちを決めて約束していたのに、こちらの都合でそれを延期したいと言っていることを踏まえ、今回はそれで手を打つことにしました。
二人とも、最後は快く「いいよ!」と言ってくれたのでよかったです。(二人からすると、欲しいものも買ってもらえ、しかも回転寿司も行ける、ラッキー♪ハッピー♪な結果となったかも)
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3. 日々親子の交渉を大切にしてスキルアップ!
今回の交渉は、穏やかに双方合意の形で成立させることができましたが、元々気性の激しいバスケボーイとの交渉は、彼の強い反発や相手の意見を聞き入れない態度によって、激しく炎上することもありました。
私もしつもん力セミナーで交渉について学ぶ前は、自分の要求や意見を押し付けて主張するばかりで、それが一段とバスケボーイの神経を逆なでし、交渉は決裂することがほとんどでした。
今回のような場面でも、しつもん力セミナーを受講する前の私だったら、子ども達の反論を否定し、「そんなこと言ったって、野菜がたくさんあるんだもん!〇〇寿司は来週末ね!」と言い聞かせる態度を取っていたでしょう。そして子ども達は納得できず、さらに主張を繰り返し…親子で言い合いになる様子が目に浮かびます。。
でも、しつもん力セミナーで交渉について大切なポイントを学んだ私は、こんな場面でこそ相手の考えを聞き、気持ちに寄り添うことを特に意識するようになりました。
今回も子ども達がすごく楽しみにしていた気持ちを理解する言葉かけができたからこそ、子ども達も一方的に自分たちの主張を押し通すことなく、こちらの事情も理解して解決策を考える気になってくれたのでしょう。
マキ先生の言われたとおり、親子の会話は日々交渉です。まずママが交渉のスキルを学び、よいお手本を示す。ママがきちんと理由を伝え、説明し、相手の言い分を聞き、時には折れる姿を見せることで、子ども達も交渉の仕方を学ぶことができます。また交渉の中にも英語を取り入れることで、会話がヒートアップしすぎずよいクッションとなってくれます。
とは言っても毎回このように平和的に解決できるわけではなく、主張が強すぎてつい感情的になったり、お互い譲り合えず平行線になってしまうこともあります。それでも、「交渉」の大切なポイントを意識して日々親子の交渉を行っていくことで、お互いに少しずつでもレベルアップしていけるのです。
小さなものから大きなものまで、交渉のテーマになるものは様々ですが、親子で理解しあい折り合いをつけることを諦めずに、これからも日々交渉を続けていきたいと思います。それがこれからの社会を生き抜く中で、どんな場面でも通用する大きなスキルとなることは間違いないと思うからです。
ママがよいお手本となれるように!ママの姿を見て、日常会話から子どもも交渉スキルを学ぶことができます!