前回は子どものモチベーションを下げてしまう行動についてご紹介しましたが、皆さんは子どものモチベーションをどうやって維持していますか?
コロナで変わってしまった不安定な時代を生き抜くには、何事もチャレンジ&リベンジできるマインドが必要ですが、ママが子どものモチベーターになって子どものモチベーションをあげることができたなら、それは同時に未来を生きぬくマインドをも育むことにつながります。
その理由は、やる気や自己肯定感などのモチベーションに関する要素すべてが、子育てでも重要なポイントとなるからです。
前回お伝えした内容を振りかえりながら、今回はママがぶれずに愛あるモチベーターになるための7つのポイントをご紹介します。
目次
1.子どもの興味・好きなことには相づちとしつもんで返す
「やってみたい!」という探求心からくるドーパミンの分泌は、未知の挑戦には欠かせない原動力になるといわれています。受け身で情報を得ることよりも、積極的に情報を受け取る方が脳は敏感に反応するからです。
子どものモチベーションを維持してあげていくには、
子どものワクワクや楽しい気持ちを逃さずにキャッチすることがとても重要になってきます。
そのためには親子の会話をいかに掘り下げていくかが鍵となります。
「ママ見て!ママ聞いて!」
子どもからの発信は会話を掘り下げる大チャンス!
『それ知っている、○○でしょ?』
『え、違うよ○○でしょ』
こんなふうに会話を終わらせてはいませんか?
『わお!良いしつもんだね!』Good question!
『わぁ!すごいね!それなぁに?もっとママに教えて!』Wow!Interesting!
『なるほど!どうしてそう思ったの?』Oh,I see!Why did you think so ? Tell me more !
探求心を最大限にくすぐることができるかは、ママの返答にかかっています。
大切なのは正しい答えを教えることではなく、否定することでもなく、子どもの考える機会や自分で話す機会を増やすこと。
ママが興味深々に聞き返すだけで、子どもの鼻息がどんどん荒くなって目を輝かせていく。そんな愛おしい経験がみなさんにもあるのではないでしょうか。
今まで気が付かなかった子どもの新たな一面が見えてくると、ママのモチベーションもup!
小さなこともでも良いので、子どもからの会話のキャッチボール、落としてしまってはもったいないですよね。
ママが聞き返してあげるときには、愛ある相づちも忘れずに添えてあげましょう。
子どもにとってママの表情や声のトーンは心の安寧にもつながる大事なポイント。
ちょっとオーバー気味なリアクションで子どもと向きあってみませんか?
2.自分で決める習慣をつける
幸せな人生を歩むために必要なのは、スキルやお金ではなく、自分で決断した人生を歩んでいるかということが重要なのだそうです。
親が決めたレールの上ではどれだけ成功体験を積んでも、そこに自分の意思がなければ自信が持てないままとなってしまいます。何か困難なケースに遭遇した場合、「自分には無理」とあきらめてしまったり、モチベーションを保つことが難しくなります。
「ママが決めて」が口癖になっていたら要注意。
年齢が小さくても自分で決めさせる習慣をつけることで、考える力、決断する力、行動する力が少しずつ身に付き、その蓄積が「私は○○ができる」「やるべきことを自分で決めてやりとげた」といった達成感を生み自己肯定感を育むことにもつながります。
例えば今日着る服、お店で食べるメニュー、習い事を続けるかどうか。
日々の生活には決断すべきことがたくさんありますが、子どもの意見を聞いていますか?
・お洋服はどれがいい?
・今日はどんな一日にしたい?
It’s up to you. すべてはあなた次第だよ。自分で決めていいんだよ。
こんなメッセ―ジをこめて、小さなことから決断させる習慣をつくりましょう。
もしお子さんが自分で決められないようなら、「どっちが好き?」「ワクワクするのはどっち?」とよりドーパミンが出やすい選択をさせてあげてはどうでしょうか。
子どもが自分で選択や決断できたら、自分で決めたご飯は美味しいね、自分で決めた服を着たらやる気が出るね、などとプラスのフィードバックで返すことも忘れずに。
笑顔やドヤ顔など、子どものちょっとした変化が見えてきますよ。
我が家の変化
うっかり提案(口出し)してしまったとき、「なんでママが決めるの?オレが決める」と5歳長男に自信たっぷりに却下されて驚いた。ある時はできていないことを指摘したら、「オレそれ決めてないし。オレは後でやるって決めたし。」など反論されハッとした。
本人の意思を確認してから会話をするようになった。
3.『たったの5分』を仕掛けて褒める
やる気がなくてもまずやってみる。
完璧にできなくてもまずは行動を起こす。
やる気が出る前にとりあえずやってみることで作業効率が上がりドーパミンが分泌されることがわかっています。これは「作業興奮」と呼ばれる仕組みで、脳の側坐核という部分が刺激されることでやる気スイッチが入るためです。
その刺激に必要な時間はたったの5分! 皆さんご存じでしたか?
5分頑張るだけでやる気を引き出せるのなら、あらゆる手段やアイデアを駆使してその5分を仕掛けることがママならできるはず。
え?たったそれだけ?だったら私にもできそう!って思えるのではないでしょうか?
・5分だけ机に座ってみたら?
・とりあえず声に出して読んでみたら?
・5分でいいから手伝ってくれない?
・5分だけ練習してみようよ
この5分を発動させるために、外発的な動機付け(ご褒美)で交渉するのも良いですね。
きっかけを作ったら、あとは本人に任せるだけ。
まずはお子さんが5分経ったときにどんな様子か観察することからはじめてみましょう。
我が家の変化
●小6長女:「動けばやる気がついてくる」とわかり、「とりあえずやる」と自分から動く機会が増え、最近ではご飯の時間になっても「まだ終わってないから!!」と集中モードになって困ることも。
●5歳長男:「5分だけって言ったのに!!」と5分以上頑張ってしまったことに怒りだす。「すごい力をもってるね、集中力あるね!」と褒めちぎると、「頑張ったから○○して良いでしょ」とさらに交渉してくるようになった。
たった5分、されど5分。
忙しいママには即実践できるモチベーション対策としておすすめです。
4.目標は細分化してフィードバックする
高い目標を持つことは夢を叶えるために必要です。ゴールを決めて動かなければ何に向かっていけばよいのかぶれてしまいがち。しかし、大きすぎる目標だけでは苦しくなりストレスホルモンがでると言われています。
死ぬ気で頑張ってもドーパミンは出ないそうです。
ちょうど良いのは、少し頑張れば達成できそうな少し難しい目標設定。
これが最もドーパミンを分泌することがわかっています。
子どもが目標設定をするときは、達成可能なものから少し大きな長期目標まで、細分化し幅を持たせることが重要です。小学校高学年程度であれば、一緒に目標設定を考える時間を作ることもできますね。
毎日、もしくは週に一度、目標を振り返り成功体験を共有するなどプラスのフィードバックも効果的です。
ここで大切なのは結果を評価するのではなくそのプロセスを子どもに聞いてみること。
良かったことも上手くいかなかったことも自分で考えられるようになってきます。次の目標修正や自分へのご褒美も考えワクワクする要素を取り入れることも忘れずに。
我が家の変化
「これやったらオレ○○できる」と5歳長男がつぶやくようになった。
幼稚園児でも自分が決めたゴールをしっかり認識していることがわかり、年齢は関係ないことがわかった。
5.ご褒美タイムは親子で楽しむ
一週間の目標や頑張ると決めたことを達成できたとき、必ずご褒美を考えておきましょう。
「これを頑張ればこんな良いことが待っている」と報酬を予期するだけで、ドーパミンが分泌されることがわかっているからです。
さらにワクワク感をより身近にするため、家族で公言しあうことがより効果的です。
我が家の変化
「ママはこれするんでしょ、だから頑張って」と、仕事で疲れて動けない時も、小6長女はご褒美をちらつかせ私の気持ちを奮い立たせてくれるようになった。
(どっちがモチベーターなのかわかりません)
家族それぞれご褒美は違いますが、我が家のご褒美タイムは大抵週末。その週末を楽しみにしながら頑張ることで、しっかりとオフタイムを味わえるようになりました。
6.笑顔の効果を最大限に利用する
大好きなママが笑顔でいることは、子どもの心を安寧にする大きな役割があります。子どもはママの笑顔が大好き。ママが笑っていないと子どもは苦しくなるし、大好きなママが笑っているだけで、そこが安全基地になったりします。
実は笑顔にはたくさんの素晴らしい効果があり、笑顔になるだけで脳や身体が反応して効果が得られることがわかっています。ここに気持ちがついてこなくても効果があるそうです。
笑顔の効果
・免疫を高めたりストレスを緩和する
・記憶力が上がる
・幸せな気持ちになる、ポジティブ思考になれる
笑顔を作るとセロトニン、ドーパミン、エンドルフィン、オキシトシンなどの脳内物質が出ることがわかっており、緊張を緩和してストレスを解消する効果が知られています。
いつも怒ったようなママ、何かと不機嫌になるママではモチベーションupどころか精神的なストレスは計り知れません。ママの表情や声のトーンは子どもの心にまっすぐに届くからです。
笑顔の効果には即効性があるので、気持ちがついてこなくてもまずは笑顔になってみるだけで状況は変わるはず。
Your smile makes me happy. I love you ♡ あなたの笑顔で元気になるよ。
ママの笑顔で子どもが笑顔になったら、ぜひ伝えて欲しい魔法のフレーズ。
あなたにはそんなすごい力があるんだよ。
ママの笑顔と魔法の言葉で、子どもの存在をまるごと包んであげましょう。
おはよう。おやすみ。いってらっしゃい。お帰りなさい。
気持ちを切り替えるタイミングはとびきりの笑顔で伝えることを忘れずに。
我が家の取り組み
忙しいときや疲れているときほど笑顔でハグする時間を作ります。
「思いきり笑ってぎゅっとしてくれる?」まずは子どもにお願いするのが我が家流。ハグされた瞬間、スーッと力が抜けていくのかわかります。「はぁ~元気になった♡ありがとう♡」子どもの笑顔を超える笑顔を心掛け、私からもギュウっとお返し。幸せホルモンオキシトシンが大放出、即効性がありおススメです。
7.触れる時間を大切にする
子どもには自分のことを好きになって欲しい。自分を大切にしてほしい。
どんなママでも切実に願っていることではないでしょうか。
前回お伝えしたように、モチベーションを維持するためには自己肯定感が大きく影響します。
自分を信じて前に進めるか、自分はダメだとあきらめてしまうか。
実はこの自己肯定感、触れることで育むことができるのです。
皮膚からの刺激はオキシトシンを分泌することがわかっています。
たくさんの大好きを言葉で伝えるよりも、ゆっくりと優しいタッチで触れるだけで、大好きの気持ちが伝わり、心の根っこに届くことがわかっています。
子どもが成長すると、抱っこしなくて楽になる、何でも自分でできるようになりママの手を借りなくてもすむようになります。親の手を離れ成長していくことは、おのずと肌で触れ合う時間が減ってくること。
そしてコロナの影響で極端に人との触れ合いが減ってしまった現代、その影響は今後深刻になってくるだろうともいわれています。
一日をふりかえりながら子どもに寝る前のタッチをしてみませんか?
皮膚をゆっくり撫でさするように触れると、オキシトシンなどのリラックスホルモンが分泌され、心も身体もゆるみ緊張がとけぐっすりと眠れるようになります。添い寝をしている子どもであれば、お腹や背中をゆっくりなでるだけで効果絶大。
How was your day today?どんな一日だった?
Did you have a good day?楽しかった?
子どもだけではなく触れているママ自身にもリラックスホルモンが出るので緊張がゆるみます(注:高頻度で寝落ちします)。
ママの優しい笑顔と優しい声、優しいタッチで明日に向けて子どものマインドを整えてから一日を終えてみませんか?
我が家の変化
5歳長男は「寝るときマッサージして」とリクエスト。3秒で寝てしまい本人の記憶なし。それでも「ちゃんとマッサージしてくれたの?」と翌日確認しては満足そうにしています。小6長女は、頭や足などリクエストがあったときにマッサージしますが、友達とのトラブルなど心に引っかかっていることがあると、そのタイミングでぽつりぽつりと話し出したりします。「なんかすっきりした」と翌朝にはスッキリ起きてくることもたびたびあり、思春期になってもタッチの効果は絶大。
参考サイト
モチベーションを維持する方法7選 モチベーションを維持することのメリットも解説(JOBNET)
勉強のやる気を出す方法~子供のモチベーションを上げるには(MAMARINA)
自己肯定感が低い人の典型的な4種類の行動パターンと深層心理(モチラボ)
参考文献
学びを結果に変えるアウトプット大全(樺沢紫苑)
8.まとめ
これでもう安心!ママがぶれないモチベーターになるための7つのポイントはいかがでしたか?
やる気の出る脳を育むには普段の行動や習慣が大切です。内側から湧きおこる興味や好奇心に寄り添い、子どもを見守ることができるママやパパだからこそできることがたくさんあります。しかし日々の小さな行動の積み重ねが大切であり、孤独な作業でもあります。
今回ご紹介した具体策は、ママ自身のマインドが整っていなければ継続することは簡単ではありません。私自身、触れ合う事は得意でしたが過干渉ゆえ子どもの言葉を引き出すことがとても苦手で苦しい時期がありました。
そんなタイミングで出会ったのが、愛ある親子の英会話が学べるアットホーム留学です。アットホーム留学は子どもたちが世界どこででも、自ら「Hello!」と話しかけられるようになる、今までになかった英語楽習。
私はここで「使える」英語を親子で学ぶと同時に、子どもとの会話を深めながら自分らしい子育ての軸を手に入れ、子どもの可能性をつぶしかけていた過干渉の子育てから抜け出すことができました。それだけではなく大嫌いだった英語が好きになり、子どもだけではなく自分の可能性を信じられるようになったのです。
アットホーム留学には同じ気持ちでモチベーションを維持しあえるたくさんのママ仲間がいます。その環境があったからこそ、子どものワクワクポイントをキャッチし、子どもが考える機会を手渡し、行動を見守り経験を積み重ねることを楽しく継続することが今もできています。
モチベーションを上げるだけでは終わらない、ママがぶれずに愛いっぱいのモチベーターとなって子どもの未来を生きる力を一緒に育んでみませんか?
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