「AIに仕事を取られる」「今ある仕事の約半分はなくなる」ということを耳にされたことがある方も多いのではないでしょうか。
テクノロジーの大きな変化により、世界は今、ものすごいスピードで変化しています。
技術やノウハウを持った人が大量に必要だった時代は終わり、革新的なことを「考えつける人」が必要とされるようになってきました。
そんな新しい時代に、子どもたちに真に必要な教育とはなにか、を映画「Most Likely to Succeed」から、紐といてみます。
(画像はMost Likely to Succeed Trailer- Japanese from Innovation Playlist on Vimeo より)
1.120年以上変わらない学校教育システムとは
「Most Likely to Succeed」は、「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」というテーマのドキュメンタリー映画です。
カリフォルニア州サンディエゴにあるHigh Tech Highという、先進的な教育を行っている学校の紹介とあわせて、多くの有識者や教育関係者への取材を重ねて作られました。
120年前、工業化に伴い必要となったのが、軍隊や工場で働く「同じ能力を持った大量の人」です。
そこで生まれたのが今の教育システムでもある「一斉教育」。
知識偏重型教育ともいいます。
知識を習得し、試験でそれを発揮できれば好成績がつき、将来が約束されるという仕組み。
工場はどんどんオートマチック化されているにも関わらず、このシステムは今も「当たり前」とされています。
この先、工場などの人手はほぼ不要になるでしょう。
その時に必要とされるのはどんな人なのか?
2.子どもたちに求められているソフトスキル
新時代に必要とされる人、それは論理的思考力を持ち、手段を「選ぶ力」(ソフトスキル)を持っている人。
つまり「自分で考えて行動できる人、革新的な考えを生める人」です。
簡単なことのよう聞こえるかもしれません。
これまでの教育システムでは、知識=手段を習得し、習得具合が評価されてきました。
これからは、自分に合う手段を見つけ、調整し、使いこなせるかどうかが大事になります。
例えば英語を学ぶとき、
英語自体は「手段」でしかありません。
あと数年もしたら、自動翻訳機がもっと高度化し、英語を話せなくても意思疎通はできるようになるでしょう。
でも「英語でコミュニケーションがとりたい」「自分の言葉で伝えたい」というモチベーションやパッション(熱意)があると、英語を自ら学ぶという行動になります。
3.「庭師」のようなママ・パパになろう
映画の中に印象的な表現がありました。
教育とは、庭師のようなものだ。
植物は手を加えなくても自然と育つ。
庭師は、無理やり葉を大きくしたり、花をつけさせたりするのではなく、その植物がよく育つ環境を整える仕事だ。
教えるのではなく、環境を整えることで導く大人の存在。
教師だけがこの役割を担う必要はなく、今すぐできることとして、ママ・パパが子どもが育つ環境を、家庭の中で整えることが大事になります。
子どもがソフトスキルを身につけ、AIに負けない考える力とコミュニケーション力を伸ばすために、親子英会話を起点に家の中の環境を整えること、はじめてみませんか。